2006年03月13日

WBCのタイブレーク方法

野球の世界一を決めるワールドベースボールクラシック(WBC)が
J SPORTSで全試合生放送されている。

東京ドームで行われた一次予選A組は、順当な結果ばかりで、
大差の試合も多かったため、あまり興味を持てなかったのだが、
アメリカとプエルトリコで開催されている他の組では
予想外の試合展開が多く見られ、私の中で少しずつ関心が高まってきた。

B組では、南アフリカに9回逆転勝ちの辛勝を収めたカナダが米国に勝ち、
その米国に完封負けしたメキシコがカナダに9-1の圧勝。

C組では、プエルトリコに1点差で破れ、キューバには延長で敗れたパナマが、
その両チームに大敗していたオランダに無安打無得点のコールド負け。

そしてD組でも、ドミニカとベネズエラの二強が順当に勝ちあがったものの、
オーストラリアがイタリアにまさかの完封コールド負け。

アマチュア選手中心だった今までの国際大会と違って、
キューバ以外の中南米諸国の活躍が目立ち、新鮮な印象を覚える。
また、野球がマイナースポーツとなっているヨーロッパ勢も、
2次リーグ進出こそならなかったものの、出場した2チームが
そろってコールド完封勝ちの快挙を成し遂げた。

ところで、この大会の規定の中に、やや腑に落ちないものがある。
リーグ戦の勝率が並んだときのタイブレーク(順位決定)方法が、
(1)直接対決の勝敗、(2)直接対決のイニングあたりの失点、
(3)直接対決のイニングあたりの自責点、(4)直接対決の打率、(5)抽選
という順番になっているのだ。

「イニングあたりの」ということは、極端なケースとして
最終戦でコールドで完封勝ちしたら次のラウンドには進めないが、
9回まで戦って(あるいは延長まで戦って)無失点で勝てば
次のラウンドに進めるというケースも出てくる。

もしくは、9回までに少ない失点で負けていればよかったのに、
同点で延長戦に入ってしまい、延長イニングに大量点を奪われて
次のラウンドへの進出権を逃すなどという事態も起こりうるだろう。

それを避けるために、わざと点を取らない、わざとアウトになる、
といったシーンが出てこないとも限らない。
野球では、リードしている後攻チームが最終回の攻撃を行わない以上、
得失点差とか総得点、総失点で順位を決めるのは適切ではない。
この規定は今大会限りで撤廃してほしいものだ。

ちなみに、今大会、B組でさっそく上位3チームが2勝1敗で並んだ。
直接対決では3チームとも1勝1敗だったので、失点率で順位が決まり、
1位:メキシコ、2位:米国、3位:カナダという結果になった。
上位2チームしか次のラウンドへ進めないので、カナダはここで敗退だ。

しかし、もしメキシコとカナダが
「米国は強いから2次リーグで対戦したくない」と思っていたなら、
試合順の関係で、共謀して米国を追い落とすことができた。

メキシコとカナダの試合より前に、メキシコは米国に0-2で敗れ、
カナダは米国に8-6で勝っていた。したがって、各チームの失点は
メキシコが2点、カナダが6点、そして米国が8点だ。

メキシコがカナダに1-0で勝った場合、3チームが同率で並ぶが
(米国が南アフリカに勝つことを前提として)、
失点がメキシコ2点、カナダ7点、米国8点となり、
1位:メキシコ、2位:カナダとなって、米国は3位に終わっていた。

カナダはメキシコに勝てば1位だったが、1位でも2位でも
2次リーグに進めば同じこと。1位のメリットは何もない。
(対戦相手は1位でも2位でもまったく同じ。)
それならば、勝って2次リーグで米国と再び対戦するより、
0-1で敗れて2次リーグでメキシコと対戦するほうが勝機がありそうだ。

メキシコは勝たなければ2次リーグに進めないから、
もしカナダから「1点しか取らないと約束するなら勝たせてやる」と
持ちかけられたら喜んで応じていたはずだ。

実際には、そういうことにはならなかったが、
これがもし過去に遺恨のある国同士の争いだったなら、
そういう取引があっても全く不思議ではない。
(極端な例だが、メキシコとカナダを旧ソ連と旧東ドイツにでも
置き換えてみてほしい。きっと米国が敗退するように取引したはずだ。)

失点率によるタイブレークの廃止はもちろんだが、
1位通過チームにメリットを与えることも必要なのではないだろうか?
第2回大会へ向けての重要な検討課題のひとつだと思う。


posted by ナカヲ at 01:43| ☔| Comment(4) | TrackBack(0) | Baseball 2006-2007 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
WBCは今回が初めての試みなんで、これからどんどんと改正していけばいいんじゃないでしょうかね?

まあ、日韓WCのリーグ戦でも同リーグ内の他の勝敗が決まった途端、対戦している両方がトーナメントに進めるからといって、玉転がしに転じたことがあったわけですし。
そういうのもまたスポーツとして捉えなくてはならないのかもしれません。
Posted by モキエル at 2006年03月14日 18:51
日本は韓国と3度対戦するのに、キューバやドミニカのグループとは
どれか1チームのみと、しかも最大で一度しか対戦できないのが残念です。
こういう国際大会では、いろんなカードを見られるのが楽しいのに。
Posted by Φ at 2006年03月17日 21:54
一次リーグで勝ち残った2チームを2次リーグでは別々に振り分けるということをしないのが不思議ですね。
サッカーW杯なら1次リーグでぶつかった相手とは決勝か3位決定戦でしか当たらないのに。

あと、こんなニュースがありました。
『メキシコが意地を見せた。3回、バレンズエラがライトへ大きな当たりを放つ。
球がライトポールに当たり、本塁打かと思われたが、日本戦でも不可解な判定を
したボブ・デービットソン塁審が二塁打の判定で、無死二塁となる。』
……この審判、中村主水にでも暗殺させたい気分です。
Posted by モキエル at 2006年03月18日 00:09
>モキエルさん
一次、二次、準決勝でずっと同じグループと当たるのは、
不思議というより、あきらかに不自然です。
米国はドミニカやキューバが怖かったのかな?(憶測ですが)

例の塁審は、メキシコの初回の攻撃でけん制アウトっぽいタイミングのプレーを
セーフと判定していましたから、単に技術が未熟なだけかもしれません。
審判のひいき云々の議論は嫌いなので、この件にはあまり触れないでおきます。
Posted by Φ at 2006年03月18日 00:57
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